プロ野球を見ていると必ずといっていいほど出てくるのが「借金」と「貯金」。借金と貯金は一般的にはお金に関する言葉のイメージが強いかと思います。プロ野球で使われる借金と貯金はお金に全く関係ありません。では一体、どのような意味を表すのでしょうか?この記事では野球用語の借金と貯金について詳しく解説します。
歴代の最多借金数と最多貯金数についても詳しく紹介。野球に詳しくない方でも、分かりやすく説明しています。借金と貯金は難しいと呼ばれる野球用語の中でも簡単な部類に入ります。この記事を読んで野球の知識を増やしてみてはいかがでしょうか?
プロ野球 借金・貯金とは

プロ野球の借金・貯金とは試合数に対して負けた越した数と、勝ち越した数のことです。そちらについてこれから詳しく解説します。
借金とは
借金とは試合数に対して試合に負け越した数のことをいいます。たとえば1年に100試合あったとします。100試合中半数以上の60試合に負けました。残りの40試合は勝利しました。40(勝利した数)-60(負けた数)で借金は「20」となります。
貯金とは
貯金とは試合数に対して試合に勝ちこした数のことをいいます。たとえば、1年で100試合あったとします。100試合中半数以上の70試合に勝利しました。残りの30試合は負けた試合です。70(勝利した数)-30(負けた数)で貯金は「40」になります。
借金・貯金の計算は「勝ち数―負け数=」で計算できます。計算式の答えがマイナスなら「借金」。プラスなら「貯金」です。
歴代最多 借金数は「68」

歴代最多の借金数は「68」。この数字を記録しているのは2球団です。1球団目は、現在の横浜DeNAベイスターズの前身のなるチーム「大洋ホエールズ」の1955年の記録。大洋ホエールズのその年の記録は31勝99敗です。
2球団目は、現在のオリックスバファローズの前身の球団の1つ「近鉄バファロー」の1958年の記録。近鉄バファローのその年の記録は29勝97敗4引き分けです。引き分けが付く場合については、後ほど説明します。
歴代最多 貯金数は「63」

歴代の最多貯金数は「63」。この数字は1936年~1952年まで存在した球団「松竹ロビンス」が1950年の記録です。「松竹ロビンス」は、1953年に現在の横浜DeNAベイスターズの前身となる大洋ホエールズと合併したため、消滅した球団となりました。
「松竹ロビンス」の1950年の成績は98勝35敗4分けです。勝率は7割を超えています。勝率7割は単純計算で10試合して7試合は勝っているという計算です。
2024年、既存する球団で過去に最も貯金の数が多い球団は巨人です。その数は「55」。1955年に記録しました。
リーグの順位と借金・貯金の関係

現在、日本にあるプロ野球の1軍のリーグは2つ。セリーグとパリーグです。どちらのリーグの順位にも借金と貯金の関係は不可欠です。大きな理由を2つこれから紹介します。
貯金が多いチームほど順位が上
上記でお話ししたように、貯金とは試合で勝ち越した数のことをいいます。貯金が多ければ多いほど順位が上がり、優勝するスピードも速くなります。2023年のセリーグの順位表で見てみましょう。
チーム | 勝 | 負 | 引き分け |
阪神 | 85 | 53 | 5 |
広島 | 74 | 65 | 4 |
DeNA | 74 | 66 | 3 |
巨人 | 71 | 70 | 2 |
ヤクルト | 57 | 83 | 3 |
中日 | 56 | 83 | 5 |
上記の図を見ると1位の阪神は85勝53敗5分。貯金は「32」。2位の広島の貯金は「9」。3位のDeNAの貯金は「8」。このように、貯金の数によってリーグの順位は大きく変動します。
借金が多いほど順位は下
リーグの順位は借金が多ければ多いほど下がってしまいます。2023年のパリーグの順位で見てみましょう。
チーム | 勝 | 負 | 引き分け |
オリックス | 86 | 53 | 4 |
ロッテ | 70 | 68 | 5 |
ソフトバンク | 71 | 69 | 3 |
楽天 | 70 | 71 | 2 |
西武 | 65 | 77 | 1 |
日本ハム | 60 | 82 | 1 |
上記の図で見ると最下位の日本ハムは60勝82敗1分。借金は「22」。ダントツで1位だったオリックスの貯金は「33」。貯金の数と同様に、借金の数によっても大きく順位が変動します。
3位のソフトバンクは2位のロッテよりも勝利数は多いですが、負けた数もロッテよりも多いです。この場合はかなり細かい勝率でロッテが2位、ソフトバンクが3位となりました。
まとめ
いかがでしたか?プロ野球の貯金と借金についてお分かりいただけましたか?借金と貯金は試合で負け越した数と勝ち越した数のこと。もちろん、全ての試合で勝敗が付くわけではありません。上記の図のように1つのシーズンで数試合は引き分けがあります。
引き分けは「勝」でも「負」でもないため、借金と貯金の計算には含まれません。野球シーズンは毎年3月~10月。借金と貯金について知っておくことで、さらに野球を楽しくみることができます。ぜひ、この記事を読んで、借金・貯金の知識を身に付けていただけたら嬉しいです。