2025年の映画「ドラえもん~のび太の絵世界物語」の主題歌を歌ったシンガーソングライター・あいみょん。曲のタイトルは「スケッチ」です。今作のテーマは「絵」なので曲名の「スケッチ」はマッチした曲だといえます。
「スケッチ」は映画のテーマに沿った曲である一方、不完全な人生を表現した曲です。歌詞の「時々、見えなくなってしまう」「まっすぐに揺れながら」は、見方を変えれば先が見えない人生そのもの。「スケッチ」は子供だけでなく、大人にもメッセージを残す曲だといえます。
この記事では、
- 「スケッチ」の歌詞考察
- 映画の世界にて「スケッチ」の意味とは
- 「スケッチ」が伝えたい本質
以上を中心に深掘りして紹介します。
目次
あいみょんのプロフィール
名前 | あいみょん |
生年月日 | 1995年3月6日 |
出身地 | 兵庫県西宮市 |
所属事務所 | エンズエンターテイメント あいみょんオフィシャルHP |
主な作品 | マリーゴールド。スケッチ。 |
※音量に注意してください。
歌詞考察
「スケッチ」は映画「ドラえもん~のび太の絵世界物語」の主題歌として制作された曲。映画の世界観を保ちつつ、聞く人によって「違う共感」を訴えるのが特徴です。全てを選ぶことはできませんが、3つの歌詞を選び、込められた意味を考察します。
「君が現れたときからずっと」
歌詞の意味は「大切な人」のことです。大切な人とは出会ったときからずっと一緒で、数々の困難を乗り越えてきた二人。「君が現れたときからずっと」とは、2人の関係を表現しております。
「時々、見えなくなってしまう」
当たり前と思うのは、じつは当たり前ではなく特別なことです。「時々、見えなくなってしまう」とは、当たり前が続くと大切な事実が見えなくなることです。
アニメ「ドラえもん」の放送で、大人になったのび太が現在に現れる話があります。のび太に「大人になることは辛いことばかりではない」と優しく語り掛けます。しかしその場にドラえもんの姿はありません。詳しい経緯は不明ですが、大切なドラえもんとの別れがあったことは事実です。
「まっすぐに揺れながら」
「まっすぐ」と「揺れながら」は対極の言葉です。迷いながらも前を向いて進んでいくことを表現しております。上京当初のあいみょんは、数々のバイトをしながら路上ライブを継続しておりました。当時は誰にも見向きされない状態で、気持ちが揺らいでいたことを語っております。
デビューはしても、バイトをしないと暮らせない。関西では競馬場の飲食店でバイトをしていたので、東京競馬場や大井競馬場の系列店で働いた。路上ライブも継続し、渋谷のQFRONT前で歌った。 引用:POPEYE
「ドラえもん~のび太の絵世界物語」の世界にて「スケッチ」という意味
特別な技術など使わず、簡単に構図だけ描いた絵のことを「スケッチ」といいます。映画の世界における「スケッチ」は「不完全」「未完成」「完成に向けた重要な土台」を意味します。
詳しい内容はネタバレになるので、ここでは伏せますが「スケッチ」は物語における重要な意味を持つキーワードです。
「スケッチ」が示すもの
映画の「スケッチ」は、
- 「不完全だが確実に進んでいけば、誰も予想できない完成を作ることができる」
を示しております。作中にて数々の困難がありますが、仲間たちと共に不完全ながら困難を乗り越える。そのような経験を経て、成長していくことを表しております。
「スケッチ」が伝えたい本質
「スケッチ」の本質は「不完全・迷い・でも続けることで完成する」です。主題歌を担当したあいみょん自身、メジャーデビューまで不完全で迷いの連続でした。迷いながら進んでいくことで、誰も予想できない完成ができる。「スケッチ」とは「人生の本質」と「自身の実体験」を伝える曲だといえます。
あいみょんが駆け出しシンガーソングライターだったころ、提供した曲があいみょんっぽいとダメだしを受けます。この時、迷いながらも作曲を作り直した際に「提供する人のため」ということに気づきます。
この経験は、現在もシンガーソングライターの礎となっていると語っております。
不完全・迷い・でも歩き続ける
歌詞にもある「時々、見えなくなってしまう」は、当たり前が実際は当たり前ではなく、特別なこと。その価値は失ってから初めてわかるものです。失ったものは二度と戻らないですが「まっすぐ揺れながら」進んで行く。まさに「人生」の本質です。
まとめ
映画「ドラえもん~のび太の絵世界物語」は子供向け作品ですが、主題歌「スケッチ」は大人にも「不完全な人生」の本質を表している曲だと言えます。ドラえもんがマンガ連載したのが1969年。連載当時からのファンは、いまは立派な大人です。
あいみょんが歌う「スケッチ」は子供だけでなく、大人も対象とした曲ではないでしょうか?