こんにちは!モクレン福祉コラム担当、もち猫です!
今回のテーマは発達障害がある人の「上手にメモが取れない」という悩みについて!
また、後半ではスケジュール管理が苦手な方におすすめのツールについても触れていきます!
例えば、急に仕事を頼まれた時に、後で見てもわかるようにきちんと整理して書いたはずなのに、時間が経ってから見てみると、どこに何が書いてあるのかわからない…。
でも、もう一度同じことを聞くのも気が引けるな…。
といったような経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。ADHDがある人の場合、不注意等の特性によりこのような事が起こり得ます。
またASDがある人の場合、よく見かけるのが1冊のメモに予定や連絡事項、仕事内容などがぎっしりと書き込まれているメモ帳です。
ASDがある人はこだわりが強い傾向があります。それにより、ルーティン化された仕事をやる際には、仕事の内容を覚えてしまったり、マニュアルやメモを見ながら行えば抵抗は少ないと思いますが、いつもと違う仕事をするときには強い不安を覚えます。
その為、新しい仕事等に関するアドバイスをもらう時に、
「言われたことを間違えずにやらなきゃいけない!とにかく言われたことを全部書こう!」
と必死になってメモを取ります。しかし、〝言われたことをメモに取る〟事に集中してしまって、内容を整理して書くということが難しい傾向にあります。
その為、どこに何が書いてあるのかわからない、ぎっしりと文字が詰まったメモになってしまうのです。このように、発達障害の人の中には「話を聞きながらメモを取る」という事が苦手な人も多くいます。また、電話をしながらメモを取るのが苦手な人もいます。
話を聞きながらメモを取っていると、相手の話についていけなくなるし、書いていると話の前後を忘れてしまう。これは、脳の「ワーキングメモリ(作業記憶)」の問題によります。 ワーキングメモリとは、簡単に言うと〝必要な事を覚えつつ、同時に作業を行う能力〟の事です。
発達障害がある人はこの能力が弱い傾向があり、一度に複数の事をするのが難しく感じてしまうのです。
メモの取り方には人それぞれやり方がありますが、ここからは筆者がしている対策も交えつつ、‶わかりやすくメモを取るコツ〟を紹介していきます!
いつも使うメモなら、パッと見た時にすぐ何が書いてあるかわかるメモにした方が効率的に作業ができますよね。それでは、そんな見やすいメモ帳にするにはどうしたら良いでしょうか?
対策としては
・何が書いてあるかについてタイトルをつける
・大事な所は見やすいように蛍光ペンで線を引く
・パッと開きたいページに付箋を貼る
・重要な部分は色や文字の太さを変える
・手順等のメモは略さずに順序通り書く(後から見返しても分かるように)
・英語の綴りや漢字が思い出せないときは平仮名やカタカナで書く
等があります。
筆者も、コラムを書く際に参考にする本の覚えておきたいページには付箋を貼って、知りたい内容の場所がすぐわかるようにしています。その為、「これってどういう事だっけ?」と思ったときにはパッとそのページを開くことが出来ます。
また、筆者は上司から話を聞いている時に、「これってどういう漢字だっけ?」とか英語の綴りが思い出せない!と焦ってしまう時があります。
そんなときは、とりあえず平仮名やカタカナで書いておいて、後で調べて書き直します。
そして、メモを取るときに心がけると良い事としては、「日付とタイトル(メモの内容)」をメモの一番上に書くことです。
この「タイトル」こそが、メモを取るのが苦手な人が書き忘れてしまい、見づらいメモになってしまう原因の一つなのです。
タイトルを書く際も
・内容ごとに色を変えて書く
・文字の太さや大きさを変える
・蛍光ペンで目立つようにする
・内容によって、タイトルの頭にマークをつける
・メモの書き方(形式)を決めておき、見る時にわかりやすくする
・なるべく一つのマスに文字を詰め込みすぎない
等工夫すると、より目立ってわかりやすいと思います。
実際、筆者もコラムを書く際に使う内容のポイントをメモにまとめる時は、タイトルは赤、小見出しは緑、大切な内容は蛍光ペンで線を引く、また文章の先頭に星マークを付ける等自分なりに工夫しています。
自分でメモの書き方(形式)を決めてしまえば、あとはそれに従って書いていくだけなので、最初に自分がどのようなスタイルで(色使いや付箋の活用等)メモを取るか決めてしまうのが良いと思います。
例えば、用事の日時をよく忘れてしまう!という人はメモとダイアリーが一緒になった様な‶セパレートダイアリー〟を使うのもいいと思います。
スケジュール帳にメモがくっついたようなもので、メモ帳の部分とスケジュール帳の部分が分かれており、スケジュール帳の部分には予定を、メモ帳の部分には詳細を書けるようになっています。
「セパレートダイアリー」とネットで検索すると、様々な手帳が出てくるので気になった方は探してみてください。
また、「メモ帳よりスマホをよく見る」というデジタル派な人には、スマートフォンの〝リマインダー機能〟をメモ代わりに使ってもいいでしょう。リマインダーとは、「何かを思い出させるための合図」という意味です。
リマインダーのメリットとしては
・予定と日時を登録しておけば登録した時間に音で知らせてくれる
・繰り返して知らせてくれる機能もあり、「5日ごとに知らせる」等もできる
・場所を指定して通知する事もできる。例えば、通知場所を自宅に設定しておけば、
自宅に到着したときや出発する時に知らせてくれる。
スマートフォンの機種によって出来る機能は少々異なりますが、活用できる機能はまだまだ沢山あります。以上、仕事上のメモの取り方からスケジュール管理についてまで紹介してきました。
メモの取り方は人それぞれですが、ここまでで紹介した方法を一つの参考として頂ければ幸いです。
また、スケジュール管理については様々なツールがありますので、色々試してみて下さい。
自分に合うツールが見つかれば、時間の管理も効率的にできますし、何より「忘れる」事がなくなります。色々試してみて、「これだ!」と思うものがあればぜひ活用してみて下さい。
発達障害の方は感覚過敏などの特性により、仕事に集中できないときもありますよね。
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著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。
